子供を出産してアルバイトとして仕事に復帰して5年目、40代に入ると「このままの働き方でいいのかな?」とふと立ち止まる瞬間がありました。
仲間との仕事はそれなりに楽しく、居心地も悪くない。
だけど心の奥では「正社員としてしっかりと仕事がしたい」という気持ちが常に頭の片隅にありました。
家計、子供の成長、将来の資産形成。
考えると年齢的にも正社員に挑戦することができる最後のチャンスではないかと。
でも結局、私は正社員にはなりませんでした。
当時の私は「何を大切にしたいか」がわかっていなかった。
この記事では、40歳の頃の私が「正社員になりたい」と迷い続けた理由と、
その過程で気づいた“働き方で本当に大切にしたいこと”をお伝えします。
正社員になる前に感じていた葛藤や、正社員を選ばなかったことで見えてきた気付きも含め、
当時の私と同じように揺れているあなたに届けたいと思います。
正社員になりたい!と思った理由
家計と将来への不安
40歳になると、子供の将来の教育費も考えるようになり、家計の責任がずっしりとのしかかってきます。
しかし当時の私は資産形成の知識がほとんどなく、毎月の支出も感覚で管理していました。
収入と支出のバランスが分からず、今考えると当時は子供が小学生の今が貯め時だということを軽く考えていました。
「このまま使って大丈夫?」
という不安は持ちつつも、「とにかく稼げばいいや、だからボーナスがもらえる正社員になって安定した働き方を目指そう!」と単純な考えでした。
子供の成長による働き方の見直し
娘は9歳、息子は7歳。
もう手がかからないようで、まだまだサポートが必要な時期。
放課後保育や学童などを利用すればそれなりに働く時間は作れるが、かといって残業などがある場合はそこまでは預かってはもらえない。
正社員として転職活動するには微妙な条件でした。
自分へのキャリアの焦り
気づけば40歳。
アルバイトのままで人生が終わってしまうのでは…?という焦りがありました。
何か成し遂げたい。
60歳まで、あと20年しかない。でも20年あれば、きっと何かを成し遂げるには十分な時間のはず。
そう頭ではわかっていても、現実は漠然とした不安だけがつきまとい、何をどう進めればいいのかわからず立ち止まっていました。
失敗して、やり直す時間はもうないのでは?
そんな焦りと、何をしたらいいかわからない
という不安が重なって、結局、行動に移せずにいたのです。
でも正社員に踏み出せなかった本当の理由
仲間と離れたくないという気持ち
一緒に働く仲間は私にとって大切な存在でした。
年齢も立場も違うのに、助け合って働けるチームワーク。
ここを離れたくない
という気持ちは転職活動の一歩を止めていました。
家庭との両立は不安
正社員になれば収入は上がるかもしれません。
でも、シフトの自由度は下がり、家族との時間は減るかもしれない。
仕事を優先しすぎて、家族を犠牲にしたくない
という思いが強かった。
ゼロから覚えることへの怖さ
40代の転職は、新しい環境でゼロから覚えることの連続。
覚えられるかな?
若い人とやっていけるかな?
そんな不安が、踏み出す勇気を奪っていました。
情報不足のまま焦っていたこと
今思えば、当時の私は本当に知らないことが多すぎました。
- 資産形成の基本
- 働き方の選択肢
- 資格の活かし方
- 40代の転職の実態
これらを知らないまま40代で正社員にならないと人生が終わってしまうのでは?
と必要以上に焦っていたのです。
情報がなければ、不安ばかりが膨らんでいきます。
逆に正しい知識を持てば、自分に合った選択肢が見えるようになる。
これは40代で転職を考えたからこそ得られた大きな気付きでした。
本当に大事だったのは「自分が何を大切にしたいか」だった
「何を大切にしたいか」を知ることは思っている以上に難しい
私は自分の「大切にしたいものは何か」がずっと分かりませんでした。
正確に言えば、今もまだはっきりとは分かっていません。
仕事や家族、体力、収入、人間関係……
その時々の状況によって“今大切にしたいもの”は変わります。
でもそれはあくまで“表面的な大切さ”であって、
私の人生の軸になるような、
“普遍的に大切にしたいもの”が何なのか
それだけはずっと分からないまま。
「私にとって、本当に大切なものって何だろう?」
その問いは、今もまだ、ずっと心の中に残り続けています。
“何を大切にしたいか”を見つけるために、私が気付いたこと
同じように迷う人のために、ここで私が少しずつ気付いてきたことを書いておきます。
これは決して正解ではありません。
ただ、私が救われた小さなヒントたちです。
① 失いたくないものに目を向けてみる
欲しいものより、「失ったらつらいもの」の方が、本音が見えやすい。
- 心の余裕
- 家族との関係
- 無理しすぎない働き方
- 信頼できる人間関係
それらは、私が一度も手放したくなかったものです。
② 心が揺れた瞬間を丁寧に振り返る
傷ついた時、うれしかった時、涙が出た時。
その感情の奥には、必ずあなたが大切にしているものが隠れています。
私は職場で誰かに助けられた時に、「人とのつながり」を大事にしたい気持ちが強いことに気づきました。
③ 何度も“繰り返し選んできたもの”を見る
迷いながらも、結局いつも選んでしまうもの。
そこにはあなたがずっと守ってきた価値観があります。
働く時間、家庭との向き合い方、休みの取り方、
私は毎回、心が無理しすぎない選択をしていました。
④ 長く続いたものの中に答えがある
続けられたことは、あなたを支えてきた“軸の一部”。
私の場合は、
子育て、アルバイトの働き方、人との関係。
どれも長く続いていて、そこに大切にしたい価値観がありました。
“何が一番大事か”ではなく、“何を大切にして生きたいか”
40代になって分かったのは、
大切なものを「ひとつに決める必要はない」ということです。
家族も、仕事も、自分の気持ちも、余裕も、健康も。
全部大切でいい。
「一番大事なものは何か?」ではなく、「どれを大切にしながら生きていきたいか」
その問いの方が、私にはしっくりきました。
最後に:迷いながら進んでいるあなたへ
“何を大切にしたいか”は、
答えがすぐに見つかるものではありません。
でも、迷っている時間はムダではなく、むしろ自分の本音が育つ大切な時間です。
私もずっと揺れ続けています。
今もまだ、答えははっきりしていません。
それでも、
「私が大切にしたいものを確かめながら進んでいく」
その姿勢こそが、これからの働き方で一番大事なのかもしれません。
迷っているあなたへ、
少しでもこの気付きが届きますように。


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